管理職の兼務における弊害について

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管理職の兼務は様々な理由で行われますが、特に問題なのは固定費圧縮のための兼務の場合に問題が生じると思っています。

本来ならば、部門・課・室・グループといった組織の単位ごとに責任者を設置するのが望ましいのですが、何らかの理由で単位ごとに責任者を設置出来ない場合は、兼務することのメリットよりもデメリットに注目し、適切な判断を下さなければならないと思います。

同じの部署での兼任

この場合は、同じ部門の中にある課というような組織単位で、兼務する管理職が同列であること場合を指します。例えば、人事部人事課と厚生課というような場合です。

人事課の課長と厚生課の課長は、全く同じ仕事ではないことは重々承知していますが、ひとつ上のボスが人事部長なので、一人の課長がふたつの課を見ても指示命令系は一本化されていますから、あとは兼任している課長が各課のスタッフに適切な指示を行うことによって、仕事は回ると考えられます。

この兼任課長は、人事課と厚生課の両方の仕事の内容と業務の流れを熟知しないと、適切な指示が出来ないため、ひとつの課を任されている課長と比較した場合、仕事が出来る人物であれば早く自分なりに仕事の内容と業務の流れを把握するはずです。

こうした経験を積み重ねることで、いずれ人事部長を任せられる人材に成長し、その部門を引っ張っていく人材としての成長を期待することが出来ると思います。

当然、現人事部長のサポートがないと成長を期待出来ないことも認識しておくべきです。

縦型の兼任

これは、部門長と課長、担当役員と部門長といった縦型の兼任です。これは、複数の縦型の権限を一人に持たせるという一番問題な兼任のケースだと思っています。

こんな兼任をさせるということは、その会社に人材が相当不足していることを示しているので、この兼任の管理職が他の会社の方と名刺交換するものなら、相手の方は「きっとあの会社は人を育てていないのだろうね。」と容易に悟られてしまいます。

兼任する本人にとっては栄誉なことだと思うかも知れませんが、決してそのようなことはなく、早く兼任から専任になるべく人を育てるか、あるいは他の部門から人をハンターするか、いずれかの方法で兼任から解放されるような動きをしないといけないと思います。

縦型の兼任の弊害

前述のように、自分一人で二役をこなすわけですから、横の兼任とはことなり縦の兼任はその立場で立場でふるまうことになります。

例えば、担当役員と部門長が兼任する場合は、部門長は部門から見た視点で判断をすることが必要であることに対し、役員は経営者の視点で判断することになります。

この両方の視点で一人が判断するということになりますが、大抵は役員として判断が優先され、部門長として判断はスルーされると思います。

部門長の判断はどちらかというと現場よりの判断になりがちですが、その部門長の判断を飛び越え、役員としての判断が続くようになると、現場のスタッフの味方でもあった部門長としての要素が排除された施策やルールなどが施行され、いずれ現場のスタッフがものを言わなくなってしまう可能性が高くなります。

意見をぶつけようとしても、一般職の方なら3つ上の役職者と議論することになりますし、課長とはいえども二つ上の役職者と議論することになります。

所詮、会社員は縦社会なのでどうしても肩書がものいうこと多いため、どんなに現場に適した意見や考えであっても、否定されることが多いはずです。

それは、役員と部門長が兼任するとどうして部門長としてマネジメントする時間が役員としての仕事に取られてしまい、現場を良く見る時間を失ってしまうことにつながります。

こうなると、現場で「今、何が起こっているのか?」、「現場はどのような流れで、誰を中心にして仕事が回っているか?」、場合よっては課長以下の重要な人物のスケジュールでさえ確認を怠り、仕事が進まないことに対して機嫌が悪くなり、結果として肩書で部下と勝負しようとし始めます。

そうなると、パワハラ問題にも発展しかねませんし、組織の風土も悪くなってきます。そして、その部門の生産性に影響が出てくると、取り返しのつかないことになり兼ねません。

組織を壊すのは簡単

横型の兼任の場合は前述のように部門長がひとり存在しますので、重要な決裁は一人で判断し部門長権限を越した内容についてその上の上長に決裁を委ねることになります。

しかし、縦型の兼任の場合はひとりで相反する立場での検討をしなくてはならないにも関わらず、結果として部門長判断ではなくいきなり役員の判断となりますから、現場とかい離した結論になってしまいがちです。

こうして、どんどん現場からかい離した判断が積み重なっていくと、いくら良い風土の組織であっても、今までの良い業務の流れや現場の判断が崩れ、最終的には現場のスタッフが違和感を感じながら業務を進めていくことになってしまいます。

その部署・課からたたき上げで縦型の兼任の場合はまだなんとか仕事が回るかも知れませんが、他部署の出身者で縦型の兼任の場合は、前述のように組織を壊す結果となる可能性が高いと考えます。

兼任は、意思決定のスピードが速いというメリットがありますが、デメリットの方が大きいことを認識することが大事であると思います。

仕事が出来るスタッフほど時間に余裕を与えなさい

その部署や部門の仕事に精通した部門長や担当役員の場合は、どんな案件であってもある程度の適切な判断が出来るのですが、たたき上げでない部門長や担当役員が配置されると、仕事が出来るスタッフを探し、そスタッフに仕事の依頼をする件数が増えてきます。

本来、こうした立場の人は仕事を人につけてその人の仕事に自分も関与し、育てていくというミッションが存在しますが、残念ながら他の部署からいきなり登用されたたたき上げではない役職者が登用された場合、自分が部下に仕事を教えることができないため、どうしても仕事が出来るスタッフ頼みになってしまいがちです。

良く耳にするのが、支店長であった人が本社の部門長にいきなり昇格するといったケースです。支店での仕事の回し方には精通しているかも知れませんが、本社の仕事の進め方は視点とは異なることが多いと思います。

費用が発生する決裁は、管理本部系の責任者の決裁が必要ですし、営業施策でも法律に関わることがあれば法務課といった部署にも相談する必要があります。

こうして支店の仕事とは異なる決裁の流れやその部門と連携している他の部門の情報などをしっかり把握し、どんな案件ならばどの部署の承認や決裁が必要なのかといったことも熟知しないと、その先に失敗が待っていることになります。

また、こうした経緯で部門長に登用された人は、保守的になりがちなので失敗を恐れ、出来るだけ確かなアウトプットをしようとします。

そこで指名されるのが、仕事が出来るスタッフとなります。本来、この手のタイプのスタッフは、全体最適を念頭において仕事を進めるタイプが多いですから、比較的自由に仕事をしてもらうことが組織にとって好ましいのですが、前述のようなタイプの兼任責任者が着任するなり、この出来るスタッフを「自分のために」重用し、振り回してしまいます。

会社の評価が出来るスタッフに十分な貢献度を認め、相応の評価をするのならまだ彼のモチベーションが下がることもないですが、兼任責任者は彼の仕事の価値を本質的に理解していないため、彼に対する十分な評価について自身を持って最終決定者に訴求出来ません。

こうなってくると、出来るスタッフ本人はおろか、そのスタッフを慕う周りのスタッフまでモチベーションが低下することになります。それは簡単な構図!彼を慕うスタッフは彼の仕事ぶりをみて仕事の価値がわかっているのですから、彼ほどの仕事をしても「なんだ、うちの会社はきちんと仕事ぶりを見てくれないのだな。」と思い、手を止めてしまうことになり兼ねません。

組織なんて壊すのは簡単な話です。やる気をなくすことを続けていけば、いとも簡単に壊せます。言い換えると、モチベーションをいかに高く維持できるかが、業績アップの秘訣と言えるのです。評価は給料に反映するものが評価ではなく、日々の上長からの言葉、経営陣からの前向きな一言だって本人にとっては十分な評価なのです。

この不景気の時代こそ、動きの良いスタッフを適切に評価し、組織全体のモチベーションアップを図ることが出来なければ、その組織の将来は決して明るいとは言い切れませんね。好景気の波が到来すると、こうした出来るスタッフの「移動」が始まるはずです。特に規模は中小でもしっかりとした業績さえ残していれば、その波が到来した時に優秀な人材を確保出来るチャンスとなります。

若い世代がどんどん減少する時代が加速しています。経営者は自分の任期中さえ乗り切れればと思っているのであれば、今すぐにでも降りて欲しいですね。この先、あなたより後に定年を迎える人の方を救いたいから・・・先を見据えて会社を経営し、「自分は社員とその家族を守る立場である」という気持ちを持った経営者の下で仕事をしてみたいものですね。

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